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●第3回 |
近視でも老眼になる |
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まず、正視、近視、遠視、乱視について整理します。正視は、無調節で平行光線が眼に入り網膜面に結像する状態をいい、一方、近視では網膜の前で、遠視では網膜の後に結像されます(図)。乱視は、平行光線が1点に決像しない状態です。これらの原因は、主に角膜と水晶体や眼の大きさ(眼軸の長さ)に起因します。 |
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図 屈折異常
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正視のように像が完全に網膜上に結像することは少なく、だれでも多少の近視、遠視を持っています。「幼いときから、目が良い」と自慢げに話している方にときどき出会います。この方は厳密には正視でなく、たいがいは遠視です。したがって、ほとんどの人が医学的には屈折異常者です。 |
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白内障の手術をした後、眼内レンズを挿入しない場合、眼軸の長さが正常なら、10D程度の遠視です。D(ジオプトリ)とは屈折の単位で、1Dは焦点距離1mの曲光度です。強度屈折異常はプラス(遠視)6D以上、マイナス(近視)6D以上をいい、幼いときより眼鏡が必要です。 |
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2、3歳の乳幼児であっても強度近視では1mくらいの距離でお母さんの顔がぼんやりしか見えません。遠くがよく見えないですので、子どもたちの世界は1mに限られます。このような場合、私は「無限の世界を見せようヨ」「きれいな夕日をこの子と家族みんなで見ようヨ」と語り、積極的に眼鏡を処方し、視覚の発達を促します。眼鏡は子どもたちを無限の世界へ導くすばらしい道具です。 |
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一方、これら屈折異常とは、全く違う概念に調節異常があります。われわれの眼は大変便利なもので、水晶体の厚さによって焦点の位置を変えられます。近くのものでも、遠くのものでも簡単にピント合わせができます。この水晶体の厚みを調節しているものが毛様体で、この現象を調節といいます。 |
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加齢はこの毛様体以外に、水晶体そのものにも及びます。水晶体の加齢変化については詳しくは次回説明しますが、年をとるにつれ毛様体機能が衰えると、水晶体の弾力性も失われ、ピント合わせができません。この異常を老眼、すなわち老視と呼びます。遠視の方では近くを見るのに不自由する度合が早いので、老眼=遠視と思っている方も多いようです。しかし、むしろ近視の方で調節力自体が弱く、早く老眼になりやすいと報告されています。遠くが見えなくても近くは見えるので、単に不自由しないだけです。 |
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調節力は10歳代半ばで最大となり、20歳代から少しずつ落ちていき、40歳代、50歳代で極端に減少するので老眼鏡が必要となります。調節力もDで表し、60歳代では1−2Dくらいしかなく、これ以降はあまり変化しませんので、老眼鏡もさほど替える必要がなくなります。プラス(凸レンズ)2Dの老眼鏡では50cmに一番焦点が合うので、60歳代の方では老眼鏡をかけて調節して33cmから100cmの範囲でしか見えません。このようにだれでも老眼になります。 |
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