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●第1回 |
目も老化する |
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情報の80%は視覚より得るといわれ、その視覚で日常生活が不自由な状態を弱視、最近はロービジョンと呼びます。世界保健機構 (WHO) はロービジョンを視力が0.05〜0.3 と定義していますが、視野障害も注目されて、ロービジョンは低視覚と訳すべきだと思います。このロービジョン者が持っている視機能を最大限活用し、生活の質(QOL)の向上をめざすケアがロービジョンケアです。人はだれでも高齢になると、健康であっても(表)の通り加齢による変化は避けられず、視機能も低下します。したがって、多くの高齢者にはロービジョンケアが必要です。また、白内障、糖尿病網膜症、緑内障や加齢黄斑変性症などは高齢者に多く、視覚障害者の6割が65歳以上で、ロービジョンケアは介護において大きな分野となりつつあります。そこで、ケアを念頭において高齢者の眼を考えていきます。第1回は高齢者の視覚的特徴について紹介します。 |
(表)加齢による眼の変化
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角 膜 |
透明性は維持するが、角膜内皮細胞は脱落するため、房水が角膜に流入し、角膜は多少厚くなり、光は散乱する。 |
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水晶体 |
黄変・混濁し、弾性をなくすので屈折変化、調節障害(老視)や白内障が生じる。 |
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瞳 孔 |
縮瞳し、眼内に入る光量は減少する。 |
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硝子体 |
凝縮・虚脱し、飛蚊症の原因となる。 |
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網 膜 |
神経細胞は減少し、血管も全身血管に伴い変化する。 |
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〇高齢者の視覚的特徴 |
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眼の加齢変化により視力は45歳・50歳頃から低下し、75歳を超すと加速度的に悪化しますが、80歳でも視力1.0以上の人が10%程度います。この視力低下の原因は眼の加齢による光学的変化以上に、網膜から脳までの機能低下が大きな因子とされています。屈折は近視から遠視に変わり、老視(調節力の低下)も加齢現象のひとつで、避けることはできません。 |
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また、視野も加齢により感度が低下し狭くなります。ましてや緑内障や網膜色素変性症では求心性視野狭窄が進み、中心視野10度(40cm離して7cm円)になると、歩行や読み書きができにくくなります。一方、中心暗点は加齢黄斑変性、糖尿病網膜症や視神経萎縮で生じ、歩行は可能ですが、読み書きが困難です。日本の失明原因の第1位は糖尿病網膜症ですが、欧米では加齢黄斑変性で、中心暗点のケアがロービジョンケアの大きな課題になっています。また、脳疾患には半盲が合併することも多く、視野異常は高齢社会では重要な問題です。さらに、暗さに対する順応機能も加齢に伴い低下します。 |
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つぎに、加齢による水晶体の変化と縮瞳も色覚やコントラストに大きく影響します。青色は暗く、緑色との区別がつきにくくなり、白内障手術後、青白く見えるのもこのためです。そして、はっきりとした(コントラストがある)ものは見やすく、淡い(コントラストがない)ものは見にくくなります。 |
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また、水晶体の混濁は光を眼内に散乱し、網膜上の結像の上に覆いかぶさることによって、像のコントラストを下げ、見えなくしたり、不快感を感じさせます。この現象をグレアといい、その発生は白内障が進行する高齢者ほど多く、20歳に比べ70歳の高齢者は2倍のグレア効果を受け、まぶしさを強く感じます。水晶体以外の角膜表面と網膜においてもグレアが生じますので、網膜色素変性症や高齢者に多い糖尿病網膜症、加齢黄斑変性などでは、網膜上の散乱も加わり、とくにまぶしく感じられます。このようにグレアは高齢者にとって大きな問題です。 |