変形性股関節症に対する保存療法はどうするか?

     
1.柳川リハビリテーション病院方式は他の一般病院のものと大きく異なっています。
・まず筋トレ(筋力増強訓練)禁止です。
・水泳、水中歩行禁止です。
・鎮痛剤の服用は控えていただきます。
・推奨するのは
 @杖をつくこと(特に進行・末期の方)
 A跛行を無理して矯正しようとしない事
 Bいわゆる「貧乏ゆすり」
保存療法の一般的な常識は
 ・筋肉トレーニング(特に外転運動)
 ・水泳、水中歩行
 ・体重減量(ダイエット)
 ・杖の使用
 ・消炎鎮痛剤の投与
 ・歩行の制限などです。
「一般的な常識」の問題点
 ・治療の最重要点は関節への負担軽減です。
 ・杖の使用
 ・ダイエット
 ・歩行の制限は、関節への負担を軽減します
        
しかし
 ・筋トレ
 ・水泳
 ・水中歩行は、関節への負担を増大させます。
          
変形性股関節症に対する「保存療法の一般的な常識」は関節にかかる負担の増大と軽減という相反する二つの事を進めています。⇒どちらが正しいのでしょう?
         

変形性股関節症の保存療法として大切な事は関節への負担の軽減

2.変形性股関節症の治療として筋肉トレーニングはなぜ問題か?

それは関節に負担をかけずに筋力増強訓練が出来ないから
     
筋肉を緩めることの大切さを教えてくれた症例

症例@

術前 47歳 女性
末期関節症

外反骨切り術を併用した
キアリ手術を施行



術後5年
術後1年6ヶ月
大転子(矢印)の癒合不全が判明。その結果、
外転筋の筋力が回復しなかった
大転子を再固定
関節症変化は劇的に改善
     
症例A
術前 46歳 女性 外反骨切り術併用の
キアリ手術
     


49歳
術後7ヶ月
大転子(矢印)の癒合不全判明。
この症例も外転筋の筋力が弱化
したまま経過
術後3年
関節症変化は著明に改善
    
これらの2例は貴重な事実を教えています
 ・外転筋(股関節を外方へ開く筋肉)を緩めると関節症変化は著明に改善する。
 ・関節温存手術(自骨手術)の目的は関節症変化の改善、進行の防止にある。
 ・という事は、外転筋を弱い状態にしておくことが治療としては大切。
 ・しかし、弱いままでは、跛行が残るので、関節症変化の改善を待って「筋トレ」を開始する。
3.「貧乏ゆすり」はなぜ有効か?
 「関節に負担をかけない摩擦」は軟骨の再生を促すという動物実験によっている
      
貧乏ゆすり(Jiggling)

←クリックして下さい

     

術前 36歳 女性

       
大腿骨外反骨切り術
併用のキアリ手術
術後2年
骨頭外側部に圧潰を認める
       
術後5年
骨頭圧潰の増強を認める
術後7年
関節症変化の進行を認める
      

            
            48歳


貧乏ゆすり


51歳

術後12年
歩行時痛あり
術後14年7ヶ月
疼痛軽減
      
「貧乏ゆすり」はどのような例に有効か?
 ・手術によって臼蓋形成不全が改善している例
 ・臼蓋形成不全の程度の軽い例
 ・一日にどのくらいするか? ⇒多ければ多いほどいい
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