50歳代の進行期・末期股関節症はキアリ手術で救済できるか?
       
@人工股関節置換術はやむを得ない処置か?
Aどのような条件が整えばキアリ手術が可能か?
B生涯一度の手術ですむか?
     
@人工股関節置換術はやむを得ない処置か?

(@)52歳女性 (A)54歳女性 (B)52歳女性 (C)50歳女性
ここに示した50歳代の4人の方は、全て人工関節置換術以外の方法では救済が難しい、と一般的には思われがちですが、全例、キアリ手術で関節温存に成功しました。
    
Aどのような条件が整えばキアリ手術が可能か?
救済(関節温存)に成功しやすい条件
・臼蓋形成不全の程度が高度であること。
・ある程度の屈曲可能(自分で足の爪が切れる)。
・関節周囲に硬化像(X線像で白っぽい像)がある
・5〜6ヶ月間治療に専念できる。
・痛みで苦しんできた(苦しんできた人ほど良く治る)
・人工物(人工関節)に拒否反応がある(人工物の挿入を避けたいという願望が強い)。
・反対側に痛みがない。
       
  以上はあくまで成功率を高める条件とお考え下さい。
     
B生涯一度の手術ですむか?
・もちろん生涯一度の手術を目指していますが、再び痛みが生じてきた時には人工関節に置換されます。
・今までに手術をした約1,200人の患者さんの中で、その後人工関節に置換されたのは約30人(2.5%)です。
       
治療手順
(1)自己血輸血のために献血をしていただきます。
(2)献血は外来でも出来ますが、遠方の方は入院のうえ施行いたします(手術2週間前と1週間前の2回)。
(3)手術時間は約2時間です。
(4)術後2日目に車椅子に移乗し移動可能です。
(5)同時に患肢の他動的な屈伸運動を開始します。
(6)術後1週間目から歩行訓練を開始します(患肢は免荷)。
(7)患肢に荷重を開始するのは、術後8週間目からです。
(8)杖のはずせる時期は、一定していませんが少なくとも6ヵ月は必要です。
    
先に示した6人の経過をお見せします。
(@)術前 52歳女性 大腿骨骨切り術併用のキアリ手術 術後3年 ほぼ無痛の関節が得られた
    
(A)術前 54歳女性 外反骨切り術併用のキアリ手術 術後2年9ヵ月 日常生活に支障はない
    
(B)術前 52歳女性 外反骨切り術併用のキアリ手術 術後8年6ヵ月 無痛の関節が得られた
   
(C)術前 50歳女性 外反骨切り術併用のキアリ手術 術後3年 無痛の関節が得られた
    
経過観察期間が比較的短い理由
1)キアリ手術は19年前からしているが、壮年期、末期に好成績が得られるようになったのは、ここ3〜4年であること。
2)それは、骨切り術以外にいくつかの工夫を加えると、結果の良いことが分かったからである。
3)50歳代でこのような好成績が得られるのだから、30〜40歳代では、もっと良い成績が得られる。

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