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1.神経内科誕生の歴史 |
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前回、<神経内科を理解する基礎>を講義したので今回は実際、どのような患者さんを対象に診療しているのかを症例提示した。 (1)48才、男性:左視床出血のため職場にて意識消失して搬入された。右半身完全麻痺にもかかわらず、リハビリ・スタッフの献身的治療により、杖歩行可能にまで回復し、自宅へ戻られた。 (2)67才、女性:クモ膜下出血後に交通性水頭症併発。VPシャント施行後、翌日、ケイレン発作を起こし、その後暫く無動・無言の状態であった。高次脳機能回復を目的として2003年2月当院入院。言語療法士の尽力によりめきめきと回復し、長谷川式痴呆スケール:入院時11点から一ヵ月後29点にまで回復し自宅へ転院された。 (3)71才、男性:50才台より高血圧を指摘されていたが、放置。1985年より脳梗塞・一過性脳虚血発作を5回繰り返ししてきた。1994年物忘れ・動作緩慢のため国立病院受診し血管性パーキンソニズムと診断され、抗パーキンソン剤を投与されていた。嚥下障害がひどくなり、胃瘻造設のため入院(血管性パーキンソニズムは、進行性核上性麻痺(神経難病:特定疾患)と臨床像が似ることが多く、注意を要する)。 (4)28才、女性:1989年 突然、視力低下。球後視神経炎と診断されパルス療法により軽快。その後 再燃・寛解を繰り返し、1997年全盲。その後、両下肢シビレ感出現。脊髄炎を疑い、パルス療法にて軽快。8ヵ月後、両上肢シビレ感と下半身感覚鈍麻をきたしパルス療法(このように 再燃・寛解を繰り返すのが多発性硬化症の特徴である。従って、いかに再発を抑制するかが多発性硬化症患者さんのADL向上に大きく関与することが推察できる)。 (5)70才、女性:1973年5月 全身脱力・眼瞼下垂にて発症。75年、国立病院にて重症筋無力症と診断され、ステロイド内服治療を開始。その後、国立療養所への入退院を繰り返していた(重症筋無力症は来年3月にセミナーで講義の予定)。 (6)46才、男性:2002年春 髭剃る時に右の頬に皺が寄らない事に気づく。その後、右目を閉じれなくなってきた。これらの症状が、少しずつ悪化してきたため当院受診。神経学的診察で、左方向性眼振・視運動性眼振誘発不良・右顔面筋力低下を認めたため、経過より右小脳橋角腫瘍を疑い、頭部MRIにて確認され、脳外科にて無事手術された。 (7)69才、女性:2002年10月急に左視力モヤモヤ感・左鼻翼から眼の奥に疼痛を感じるようになり近医受診し、偏頭痛・脳出血を疑われ当院受診。診察すると 1.苦悶状顔貌 2.左目充血・左瞳孔散瞳11o(右:3o) 3.左眼底;硝子体混濁のため診えない 以上より、緑内障の急性発作を疑い眼科紹介したところ、左眼圧68、右20で緊急手術され、事なきを得た(緑内障の急性発作は、よく偏頭痛と間違えられて神経内科を受診されることがある。神経内科医としては決して見逃してはならない大事な疾患である)。 (8)59才、男性:2001年1月電車通勤中に体の動揺感を感じた。2002年9月フラツキ歩行、同年12月、呂律が回らない。これらの症状が少しずつ悪化してきたために当院受診。診察すると、 1.仮面様顔貌・抑うつ顔貌 2.筋固縮;右上肢中等度、左上肢高度 3.動作緩慢;右上肢なし、左上肢中等度 4.左上肢にミオクローヌス 以上の進行性の経過より、脊髄小脳変性症のなかの多系統萎縮症を疑い、頭部MRIを撮ったところ、橋小脳萎縮のほかに被殻外側の高シグナルのスリットを認めたので多系統萎縮症と確定された。治療は、主に抗パーキンソン剤の投与とリハビリテーションを施行。 (9)75才、男性;2002年より徐々に食欲良好であるにもかかわらず体重減少。その後、四肢細くなった。診察すると、 1..女性化乳房 2..顔面筋・舌に筋線維束収縮fasciculationと舌萎縮 3..四肢筋びまん性に細い、骨間筋萎縮 4..深部反射消失 5.Gowers徴候陽性より、Kennedy病(球脊髄性筋萎縮症)を疑い、androgen受容体の遺伝子検索により証明された(ビデオ供覧)。 (10)80才、女性:1997年正月に玄関に貼るべき門松の絵を冷蔵庫に貼っている。その後、自分の物を盗まれたと訴えるようになった。被害妄想が少しずつ悪化するために2002年9月当院受診。神経学的には、失見当識・長谷川式痴呆スケール10点と低下。他は異常なし。頭部MRIにて海馬を中心として大脳皮質の萎縮を認め、老年痴呆(アルツハイマー型)と診断し、シンメトレルにて経過を診ている。 (11)口蓋ミオクローヌス:ビデオ供覧。 |
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1. 神経難病の定義 「難病」は、医学用語にはなく通俗的表現である。一般的には、治療法がない疾患や治療するのが難しい疾患群を総称する用語。神経難病も同様に用いられるが、日常的には厚生労働省の指定する特定疾患を指すことが多い。 2.
厚生労働省特定疾患治療研究事業 【厚生労働省特定疾患治療研究事業】 このうちで、神経内科専門医が主体的に診ていく疾患が多発性硬化症・重症筋無力症・スモン・筋萎縮性側索硬化症・皮膚筋炎および多発性筋炎・脊髄小脳変性症・パーキンソン病関連疾患・ハンチントン病・多系統萎縮症・プリオン病・副腎白質ジストロフィーなど、11あり、また内科、脳外科、小児科、眼科でも診るがよく神経内科外来を受診されることが多い疾患としてベーチェット病・全身性エリテマトーデス・結節性動脈周囲炎などの膠原病や後縦靭帯骨化症・広範脊柱管狭窄症などの整形外科領域疾患やモヤモヤ病・ライソゾーム病なども神経内科専門医が深く関わることが多い。このように見て来ると45特定疾患の半分が神経内科領域の疾患であるといえよう。 3. 特定疾患と特殊疾患 4. 特殊疾患療養病棟の県内施設 5.
神経難病患者さんに接する医療従事者の心構え 「医療従事者としての心構え」 6.
神経難病患者さんの受けられる医療・福祉制度について |